2019年7月7日日曜日

第13回ALPS研究会および「低ホスファターゼ症の会」との交流会

2019/7/6に金沢市のしいのき迎賓館で第13回ALPS研究会が当院の遺伝診療部部長の渡邉淳先生が大会長となって開催されました。

ALPS 研究会は,2 年に一度開催されるアルカリホスファターゼ(ALP)に関する研究会であり、ALP を構成する遺伝子の 1 つである ALPL の病的変異により発症する低ホスファターゼ 症(HPP)は,近年治療として酵素補充療法の選択肢が増え,日本においては指定難病・小 児慢性特定疾患の対象になっています。

今回の研究会は18の一般演題および4つの講演からなり、症例報告・臨床研究・基礎研究に各分野からの演題がありました。当院からは歯科口腔外科の中村先生が「金沢市 3 歳児歯科検診での HPP 早期発見の取り組み」、産婦人科の飯塚が出生後早期に酵素補充療法を実施した周産期型低ホスファターゼ症の 2 例」、遺伝診療部の渡邉先生が「小児期における血清 ALP 基準値設定の意義」の演題で発表されました。ALPという特定の酵素に絞った研究会ですが、低ホスファターゼ症の診断・治療管理という共通目標に対してとても熱い議論が交わされました。

夕方からは低ホスファターゼ症の患者会(HP:http://hypophosphatasia.life.coocan.jp)のみなさんとの交流会がありました。低ホスファターゼ症はまだまだ周知されておらず治療が必要な方は多く、まだまだ啓蒙活動が必要と感じました。(当日の様子は北國新聞にも掲載https://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20190707102.htm


最近5年で当院からも低ホスファターゼ症の周産期型の赤ちゃんが2人生まれており、酵素補充療法が行われております。この交流会で久しぶりにご家族と成長した子供に会うことができ、とてもうれしく感じました。今後も金沢大学は低ホスファターゼ症の診断・治療管理に力を入れていきます。